野球用語辞典

エラー(えらー)

野球のエラーは、平均的な技術を持った選手であれば処理できるはずの打球に対して、守備側のミスによりアウトを取れなかった場合に記録されます。公認野球規則では「失策」と表記され、スコアブックへは「E」と記入されます。たとえば、三塁手が捕球エラーをした場合、守備番号と合わせて「5E」と記録します。また、遊撃手から二塁手への送球が悪送球だったことによるエラーは、「6E-4」となります。このような細かな状況の記録は、どのポジションで何の失策が起こったのか後から把握するための材料となります。そして、チームの守備力を分析し次の試合の戦略へといかすことができます。

エラーはルールに沿って判定されますが、詳細な基準ではなく、選手の平均的なレベルや状況、記録員の判断によって決定されます。そのため、少年野球とプロ野球では基準が異なり、同じプレーでもヒットとエラーの判定が変わることがあります。また、試合中にエラーとされたプレーでも、後から見直しがされて安打と認められることもあります。スコア上では守備側のミスとして扱われるエラーですが、実際は打者の成績にも関わっています。たとえば、走者がエラーにより得点しても、打者には打点がつかず、安打とも判定されません。しかし、出塁数や打数にはカウントされるため、出塁率や打率が下がることになります。さらに、エラーは試合全体に対しても影響を及ぼすことがあります。野球の試合には流れがあるといわれています。ひとつのミスがあると攻撃側の得点チャンスとなってしまうほか、守備のリズムが崩れ、戦況が悪くなるケースも多いです。とくに、同じ試合中にエラーが続いてしまうと、チーム全体に焦りや動揺が広がり、パフォーマンスが低下することもあります。そのため、気持ちの切り替えや仲間同士の声かけといったサポートが大切になります。

エラーにはいくつかの種類がありますが、大きく分けると「捕球ミス」と「送球ミス」の2種類となります。
まず捕球ミスでは、守備態勢を取っていたにもかかわらず、打球を処理することができなかった場合に記録されます。平凡なゴロを捕り損ねて足の間をすり抜けてしまうトンネルや、飛んできたボールを落球させてしまう場面が当てはまります。その際、実際に野手がボールに触れたかどうかよりも、平均的な技術を持った選手であれば捕球できたかどうかが判定の基準となります。ボールに触れた後落とすという状況が同じでも、強襲によって弾かれた場合にはヒット、明らかなファンブルによる進塁はエラー、など場面に合わせて記録員の判定に差が出ます。次に送球ミスでは、アウトを取れる状況で投げたボールが悪送球となり、走者に出塁や進塁を許してしまったプレーを指します。塁への送球が大きくそれて内野手が捕れなかった場合や、不自然にワンバウンドさせてしまうなどの悪送球が、送球側のエラーとなります。

捕球ミスや送球ミス以外にも、野球の試合では多様な種類のミスが発生します。しかし、すべてがエラーとして判定されるわけではありません。野手が頭脳的な判断を誤った種類のミスでは、アウトを取れなくてもエラーとして記録されないことがあります。たとえば、2人以上の野手が捕球を譲り合うお見合いで落球した場合には、ヒットとして扱われます。また、強い日差しやグラウンドコンディションの不良によるイレギュラーバウンドなど、捕球を妨げる環境要因が影響したプレーも、エラーにならないケースがあります。このように、エラーの種類にははっきりとした線引きが難しいものも多く、選手の技術や記録員の判断、試合環境などが影響し合って決定されます。

たとえプロ野球においてもエラーはつきもので、予想外の展開をもたらし試合の流れを大きく左右するケースも少なくありません。ひとつのエラーをきっかけに逆転劇が生まれるなど、観客を楽しませる要素ともなっています。しかし、できるかぎりエラーを減らすことは勝利に近づくための重要な一歩です。そのためまずは姿勢やグラブの使い方などを細かく確認し、捕球や送球などの技術的なミスを防ぐことが必要です。さまざまな種類のプレーに対応できるよう、繰り返し練習して技術力を養うことが大切になります。また、練習ではうまくいっているのに、試合ではエラーを連発してしまうという選手には、メンタル面のサポートも重要です。試合前に気持ちを落ち着けるルーティンを見つけたり、ポジティブなイメージトレーニングを行ったりすることで、本番への不安を軽減する効果が期待できます。

エラーはミスの記録として残りますが、選手の成長するチャンスでもあります。リトルリーグや硬式少年野球では勝敗だけでなく、その後の対応を学ぶことも重要です。試合後にスコアを確認することは、自分のプレーを見つめ直し、守備の判断力や練習へのモチベーション向上につながります。エラーを過度に恐れずに、自分自身の課題に立ち向かう力を持たせることで、この先の人生にいかしていくことができます。

Language »